ブルーベリーの効果・効能について
ブルーベリーは目に良いと言われていますが、具体的に体の中でどのように働くのかご存知でしょうか?その効果効能は目の疲れにとどまらず幅広いものがあります。
そこでブルーベリーの効果・効能、そして摂取量の目安や過剰摂取、そして相乗効果のある栄養素について詳しく紹介します。
この記事の目次
ブルーベリーは欧米では医薬品に?
日本ではブルーベリーといえば食品、もしくはジャムなど加工食品ですが、イタリアやフランスなど欧米のいくつかの国、そして韓国では医薬品として用いられています。
特にイタリアでは医薬品としての研究が進んでおり、何種類もの薬が販売されています。
イタリアのブルーベリー配合の医薬品
テジェンヌ…毛細血管の脆弱状態や胃潰瘍・十二指腸潰瘍に効果
メモヴィスス…眼精疲労を伴う肉体的・精神的疲労に効果
プレミアム…毛細血管の脆弱によい
アントシン…強い近視や夜の視力低下に効果
フォトレティン…夜間視力の障害、網膜脈管障害に劾果
視力回復以外にも血管を強くする効果が注目されています。
ブルーベリーの歴史
第二次大戦中にイギリス空軍のあるパイロットが母親が送ってくるブルーベリージャムをよく食べていたところ、暗い所で視力が改善し、はっきりと物が見えたため、食べた直後の敵機の撃墜率が高くなったことで注目され研究されるようになりました。
ブルーベリーの主成分について
ブルーベリーの皮と果肉の間に多く含まれるポリフェノール成分がアントシアニンです。アントシアニンには強力な抗酸化作用があることが知られています。
ただし目に良いとされるブルーベリーサプリのアントシアニンは実はブルーベリーではなく北欧産野生種ビルベリー(ブルーベリーの種類の一つ)の方が5倍も多いです。
ブルーベリーの効果と働き
ブルーベリーに含まれるアントシアニンは網膜にあるロドプシンという色素体の再合成を助けて活性化させる働きがあります。
私たちの目の網膜はスクリーンに光の像が結ばれることで視神経が光の像の刺激を読み取ります。この網膜の表面の凸凹状の突起物の先端に存在する色素がロドプシン(視紅素)です。
このロドプシンは見えることに深く関係があり、光の刺激を受けることで分解されますが、瞬時に元通りに再合成されます。
この分解→再合成の連続する作用が脳に伝わることで私たちは見えることが可能になります。逆にロドプシンの働きが悪くなると物が見えづらくなったり眼精疲労が進んでしまいます。
パソコンやスマホを長時間見ているとだんだん目が疲れたりかすんできたりしますが、これもロドプシンの再合成がうまくいかないためです。
このロドプシンの分解と再合成をいかに素早く行うことができるかが視力に大きく影響します。そしてブルーベリーのアントシアニンはこのロドプシンの再合成を活性化する働きがあります。
どうしてブルーベリーのアントシアニンがロドプシンの再合成を助ける働きをするのかメカニズムについては判明していませんが、世界中で研究者たちがブルーベリーの効果について実験をしています。
その結果、ブルーベリーエキスを服用することで、目の疲労、暗い場所での視覚、視野の拡大などの効果が証明されています。
またアントシアニンにはビタミンPと似たような効果があるとされています。ビタミンPとは、毛細血管の強化、血中コレステロール値の改善効果、血流改善効果、抗アレルギー作用、発ガン抑制作用などがあるとされています。
ブルーベリーの摂取量の目安は?
ブルーベリーを果実のまま食べるのとサプリを飲むのとどう違うのか気になると思います。ある研究報告によると、ブルーベリーを果実から抽出して摂取した場合、吸収率は摂取量の0.004~0.11%と極めて悪かったそうです。
またブルーベリーのアントシアニンは熱に弱く、保存しづらい性質があるため、果実で摂取するよりもサプリなど安定した形で摂取する方がおすすめです。
また体内に吸収すると24時間以内に尿と一緒に排泄されてしまうので効果を持続できません。したがって毎日摂取する方がよいと言えます。
またブルーベリーエキスとアントシアニンの量は異なります。目に良いのはアントシアニンであって、どれだけアントシアニンが含まれているかが大切です。
アントシアニンはブルーベリーエキスの3分の1から4分の1程度しか含まれていません。もちろん、メーカーや原料により若干の幅がありますが。
そのため一般的に推奨されているブルーベリーエキスの1日あたりの推奨量の目安はアントシアニンを25%以上含むブルーベリーエキスを120~250mg、アントシアニンに換算すると40~90mgくらいがよい製品とされています。
ではアントシアニンを40~90mg摂取するにはどれだけブルーベリーを食べればいいか?
ブルーベリーの果実の場合:60g~300g(両手からこぼれるほどの量)
乾燥ブルーベリーの場合 :約12g~25g
ブルーベリージャムの場合:約40g~90g
毎日の必要量をこれらの食品から摂取するのはあまり現実的とは言えませんね。そうなるとサプリを上手に利用するのが一番ということになります。
ブルーベリーの過剰摂取について
ブルーベリーは過剰摂取しても副作用はありません。ただし、ブルーベリーに含まれるビタミンAについては注意が必要な場合もあります。
妊娠中の女性がビタミンAを過剰摂取した場合、体調を崩したり胎児の喘息リスクを上げる可能性があります。
また抗凝固剤を服用している場合、ブルーベリーを多く摂取すると出血する恐れがあるので、もし摂取する場合は医師によく相談してからにしましょう。
ブルーベリーと相乗効果のある栄養素
アントシアニンは単独でも魅力のある成分ですが、他の成分と組み合わせて摂取することにより更なる力を発揮します。
例えば、多彩な働きを持つビタミンCや、紫外線からのダメージを防ぐ効果のあるルテインや、潤いを与えるヒアルロン酸などが挙げられます。
ドコサヘキサエン酸やDHAと一緒に摂ると抗酸化作用の働きをアップしてくれるので生活習慣病の予防にとてもよいとされます。