「お試し」のつもりが「定期購入」に!?通販トラブルに注意!
SNSなどで魅力的な商品がお試し価格で安く売っていたので、つい購入したくなるものです。
しかし、ただの購入ボタンだと思ったら、実はそれは定期購入への申し込みボタンだったということはありませんか?
しかも、2ヶ月とか3ヶ月など一定期間継続しないと解約すらできないと小さく注意書きで書かれているのです。
「騙された!?」と思ってしまいますよね?
実は、今、こうしたトラブルが激増しており、国民生活センターにも1万件近い相談が寄せられていると言います。
定期購入の解約の仕組みを分かった上で、最初から2~3ヶ月継続するつもりで買うのなら問題はありません。
しかし、買う時って、そこまで細かくホームページの隅々までチェックしないですよね?
そうした消費者心理の裏をかいてをついて無理やり定期購入させようとする悪徳業者が後を絶たないのが現在のインターネット通販の現状です(残念ながら)。
そこで、こうした通販トラブルの被害に遭わないためにも、気をつけるべきポイントについてまとめてみました。
通販でありがちなトラブルとは?
インターネット通販でよくあるトラブルの事例について、国民生活センターの報告書より引用します。
【事例1】サプリメントを初回お試し価格として購入。体に合わず解約を申し出たが、定期購入だとして拒否された
「痩身そうしんと美容に効果あり」「初回お試し価格500円」というサプリメントのインターネット上の広告を見てスマートフォンから注文した。
ところが、商品と同封の請求書に「定期購入で2回目以降は1箱4,000円。5回以上継続しないと解約できない」と書かれていた。
購入時には分からず、飲むと体調も悪くなるため、2回目以降は不要と事業者に申し出たが「定期購入と記載している」と解約を拒否された。
サイトを確認すると、画面の下の方に小さな文字で他の表示に紛れて書かれていた。
また、事業者から「単品扱いとする方法もある。その場合、通常価格5,000円での購入になる」と言われたが、500円だから試そうと思っただけなので納得できない。
交渉している間に2回目の商品が届いた。
(2016年2月受付、40歳代、女性、給与生活者、北海道)
【事例2】通信販売でお試し価格500円の健康食品を注文した。一度限りだと思ったが2回目が届いた。解約したいが電話がつながらない
インターネットでお試し価格500円の健康食品を注文した。一度限りだと思ったのにまた同じ商品が届いた。
注文時に気づかなかったが定期購入になっているようだ。
仕方なく3,000円をコンビニで支払った。次回以降は解約したい旨を事業者に連絡したいが、電話がつながらない。どうすればよいか。
(2016年5月受付、40歳代、女性、給与生活者、富山県)
【事例3】通信販売で青汁を注文したら定期コースだった。毎月商品が届くが中止し返品したい
インターネット通販でダイエット効果や美容効果があるとうたう青汁がお試し価格600円だったので、母親に承諾を得てスマートフォンから注文した。
ところがその後も2回目の商品が届き、請求金額3,800円のコンビニ振込用紙が入っていた。
そこで事業者に電話をかけてみたが誰も出ず、3、4回目の配達があった。そこで「キャンセルしたいが電話がつながらない」とメールをしたが、5回目も配達された。
先日、代金を立て替えているという業者から連絡があり「今月中旬までに2回目分の支払いをしないと回収手続きに移行する」と言われた。
(2016年5月受付、10歳代、女性、給与生活者、福岡県)
以上、「相談急増!「お試し」のつもりが定期購入に!?-低価格等をうたう広告をうのみにせず、契約の内容をきちんと確認しましょう-」[報告書本文]より引用
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160616_1.pdf
通販トラブルの問題点とは?
インターネット通販における問題点をまとめてみました。
問題点1 定期購入である旨の表示が分かりにくい
モデルやタレントさんの写真、「ダイエットに効果あり」などの派手なキャッチコピー、メディアや雑誌で取り上げられた写真などに目を奪われがちですが、これは売り手の戦略です。
また値段も「お試し○○円」「初回○○円」「送料のみ負担」など、思わず「安いなぁ」と考えてしまう売り文句が目立ちます。
こういう場合はたいてい、目立たないところに小さい文字で「解約するには○回以上の定期購入が条件」などと書いてあります。
注意書きを決して書いてないわけではありませんが、消費者に対して不親切ですよね?
通販の利用に慣れていない人なら「100円とか500円で手に入る」と思ってしまっても無理はありません。
問題点2 解約はできない旨の表示が分かりにくい
問題点1とも被りますが、解約条件についても小さい文字で書かれていることが多く、分かりづらいのが特徴です。
普通なら、商品を試して身体に不調が出たら、当然、定期購入は中止して、払ったお金を返してもらえると誰もが思いますよね?
でも、業者の中には「定期購入で買っているのだから、解約条件の期間が過ぎるまでは解約には応じられない」と拒否して、商品を送りつけて請求してきます。
問題点3 解約を申し出たところ、通常価格を請求される
「解約するんだったら定期購入は適用されないから通常価格を払え」と言ってくる業者がいます。
ホームページには通常価格として高い金額が書かれており、お試し価格はとても安かったはずです。
業者の言い分としては「定期購入だから安くできたんだから、そうじゃないなら通常の料金を払うべき」とうことです。
たとえ定期購入した覚えがなくても、こうした請求をされると非常に困るし、一応、ホームページに小さく書いてあったとしたら、「裁判で闘ったら負けちゃうのかな?」と、不安に思ってしまいます。
問題点4 事業者への解約の申し出が困難
電話で解約を伝えたいのに、ホームページにメールアドレスしか載っていなくて電話番号が載っていないケース、または電話番号はあるけど、かけても全然つながらないケースがあります。
消費者が「解約する手続きが面倒だな」と思わせるようにしています。電話がつながらないことが何度も続けば解約のタイミングも延びてしまうし、そうしているうちに次の商品が送られてくることもあるでしょう。
また、メールで問い合わせでもなかなか返事が来ず、何度も問い合わせしているうちに時間だけが過ぎてしまうでしょう。
あるいは、「解約は毎月20日から25日の間だけ受け付けている」という解約期間を設けているケースも。
自分も経験ありますが、何度も期間を逃してしまい、ずるずると何ヶ月もそのままということがありました。
実際の通販サイトを添削チェック!
実際の通販サイトでは定期購入の条件がどのように表記されているのか、当サイトでもおすすめのサプリ「めなり」のケースでチェックします。
①購入ボタン周り
「初回907円」とデカデカと書かれていますね。でも、その周りに文字は小さいですが、定期購入の解約条件はなく、いつでも休止・解約できること、また定期購入の場合の2回目以降の価格についても説明が記載されています。
この程度なら、購入ボタンを押す前に目に入ってくるので気づくことはできるでしょう。
②定期購入の説明その1
ここにもしつこいようですが、定期購入(めなりの場合は「モニターコース」)の解約条件について記載されています。
③定期購入の説明その2
定期購入の場合、2回目以降の金額がどうなるのか気になりますが、2回目以降は値段が上がることがきちんと比較して記載されています。分かりやすいですね。
④返金保証について
飲んでみて身体に合わなかったら返品できるように、「初めての方に限り」「お届けから15日以内」と条件付きではあるものの、返品を受け付ける旨を記載しています。
めなりの場合は返品する際の送料だけ負担すれば、商品代金については返金保証があるので返ってきますよ。
実際の通販サイトはいかがでしょうか?めなりを販売している会社はわりと良心的なので消費者を引っ掛けるようなことはありませんが、悪意のある会社なら、注意書きをわざと離れたところに書くか、文字の色を薄くして目立たないようにすることもあります。
購入する際は定期購入の条件がどこに書いてあるのかきちんと確認する習慣をつけるといいでしょう。
通販を利用する消費者へのアドバイス
上記で挙げたような事例を熟知し、通販業者の手口について精通しておきましょう。
「初回○○円」とか出てきたら、真っ先に「解約条件は何かな?」と注意書きを探すくらい警戒するのが望ましいです。
どうせわざと分かりにくくしてあるので、クイズ感覚で探すくらい精神的に余裕がある方がいいでしょう。
ただし、スマホだと小さい文字はかなり小さくなり見づらくなるので画面を広げてきちんと確認しておきましょう。
3ヶ月継続が解約の条件なら、その期間に支払う金額の合計を頭で軽く計算し、本当に払う価値がその商品にあるのかよく考えましょう。
また、仮にその商品が効果がなかったとしても、ある意味、買う決断をした自分の自業自得です。
よほどの悪徳業者なら同情の余地はありますが、自己責任でもあるので、支払う金額は手痛い勉強代だったと思って諦める覚悟も必要です。
1回ぐらい失敗しても、失敗を教訓に2度と騙されないように気をつければいいのです。
最後に確認になりますが、買う前に確認するポイントとしては以下の点に気をつけてください。
1.定期購入かどうか確認する
2.定期購入なら解約条件を確認する
3.解約する方法は電話かメールか確認する
4.ネットで口コミ情報を検索する
もしどうしても納得いかない、解約できない、法律的にどうしたらいいのか分からないなど、1人で悩むくらいなら、消費生活センターに相談しましょう。
(最寄りの消費生活センターの電話番号:局番なしの188)