卵黄に含まれるルテインの含有量って?
卵黄に含まれるルテインの含有量って?
卵の卵黄にはルテインとゼアキサンチンが含まれています。
では実際にどのくらい含まれているのか?これについてもデータがいろいろあり数値が違っています。
データ2
大2個あたり300μg (mgなら0.3㎎に相当)
(単位はマイクログラム、㎎の千分の一)
出典:A.R.Mangels,J.M.Holden,G.R.Beecher.M.R.Forman,E.Lanza./1993.Journal of the American Dietetic Association Vol.93:284-296.
データ3
たまご卵黄(生) 917μg(mgなら0.917㎎に相当)
たまご卵黄(加熱) 744μg
たまご全卵(加熱) 273μg
(100gあたり。単位はマイクログラム、㎎の千分の一)
出典:ルテインを多く含む野菜・食品について データ4より Journal of Food Composition and Analysis 2009;22:P9-15 論文URL
卵を1個食べた時のルテインの摂取量は?
他にもネット上では数値がありましたが、いずれも根拠となる情報が不足していたので割愛しました。
中でも生と加熱、卵黄と全卵に分けて計測しているデータ3は比較的に信用できると思います。
ちなみに卵の重さですが、卵黄は全卵の30%の割合を占めています。Mサイズの全卵が60g、Lサイズの全卵が70gなので卵黄はだいたい20g前後になります。
卵はLサイズもMサイズも黄身の大きさはほとんど変わらず、白身の量が違うだけと言われています。
データ3は100gあたりの数字で、Lサイズの卵の卵黄部分が20gなので卵黄(生)のルテイン含有量は917μg÷5=約183μgになります。
データ2の場合でも1個あたり300μg÷2=150μgなので卵1個あたりのルテイン含有量は150~183μgの間であると推定できます。
しかしほうれん草(100g中、約10㎎)に比べると卵黄のルテイン量はとても少ないことがわかります。
卵を食べてもルテインの効果はないの?
では、卵を食べても全く効果が無いのか?というとそんなことはありません。
鶏卵中のルテインと加齢黄斑変性症や白内障との関連を研究した報告があります。
卵を1日あたり1.3個食べると血中のルテイン濃度とゼアキサンチン濃度がそれぞれ38%、128%と急激に増加した。この増加は加齢黄斑変性症のリスクを相対的に低下させると予測されます。
ビーバー・ダム眼病研究所では調査開始時65歳以下の被験者の白内障リスクと鶏卵消費量は反比例関係にあると報告しています。
白内障に対する相対的リスクは鶏卵消費量の高グループでは0.4であったのに対し、鶏卵消費量が低いグループでは1.0でした。
毎日卵を食べるだけで白内障や加齢黄斑変性症の予防になるなら、これは毎日食べるべきですよね。
卵黄のルテインの吸収率はほうれん草より高い!
卵のすごいところはそれだけじゃありません!
なんと卵黄に含まれるルテインとゼアキサンチンはほうれん草など緑黄色野菜から摂取するよりも体内での吸収率が3倍高いことが分かっています。
これはルテインが卵黄中の他の物質(リン脂質、トリアシルグリセロール、コレステロールなど)とくっつき、吸収されやすい混合物を形成するためです(文献:Handelman G.J.(1999)Am J Clin Nutr, 70, 247.)。
これを裏付けるのが以下の実験です。
アメリカ農務省(USDA)によると、10人のボランティアを対象にそれぞれ6㎎のルテインを含む卵、ほうれん草、ルテインサプリに分けて摂取させたところ、卵を食べた場合、他のものよりもルテインの血清レベルが3倍高くなった。
連邦の調査によると平均的なアメリカ人は毎日約2㎎のルテインを消費するが、1個の卵と1杯のほうれん草サラダを食べることで容易に約4㎎のルテインを摂取することができる。
出典:アメリカ農務省 Rosalie Marion Bliss / Absorbing News About Eggs and Lutein / August 18, 2004
まとめ
いかがでしたか?卵に含まれるルテインの量は少ないですが、ほうれん草よりも吸収率が3倍も高く、白内障や加齢黄斑変性症にも効果があることが分かっています。
卵はコレステロールも含んでいますが栄養価値も高いので、毎日1~2個食べる習慣をつけるといいでしょう。
卵以外の食品に含まれるルテインの量については野菜、フルーツ別にリストにしていますので、こちらの記事を参考にしてください。
ただし、卵だけではさすがに1日に必要とされるルテインの摂取量の6㎎~10㎎に足りないので、足りない分はサプリメントを利用するようにしましょう。
サプリを選ぶ際は
1.ルテインが6~10mg以上配合されていること
2.ゼアキサンチン、ビルベリーエキスが配合されていること
この2つを基準にしましょう。1の基準についてはルテインの1日の摂取量と過剰摂取の副作用の記事に解説してあるので参考にしてください。
2の基準ですが、ルテインは脂溶性で体内では吸収されづらい特徴があり、ゼアキサンチン、ビルベリーエキスと一緒に摂取すると吸収率がアップして相乗効果が期待できます。
ただし残念なことにドラッグストアで売っているルテインサプリだと上記の条件を満たすものはありません。
通販で探すと海外製のドクターズチョイスのルテイン40mgか、日本製のめなりの2つのみが条件に該当します。
めなりはルテイン含有量こそ12mgですが、ゼアキサンチンと5対1の黄金比率で配合していて、ビルベリーエキスもたっぷり含んでいます。
他にも強力な抗酸化成分であるアスタキサンチン、クロセチン、カシスエキスなども入っており、組み合わせが良いためか、ドクターズチョイスと同じくらい効果が見込めます。
私はどちらも買って飲んでみましたが、効果に正直、差は感じませんでした。
ドクターズチョイスは海外製のためか、サプリの粒が大きくて飲み込みづらいのが苦手で、コスパもめなりの方が安いので、私はめなりの方をオススメしています。