認知症にはルテインが効果的!アルツハイマー病の予防改善に
認知症、特にアルツハイマー病が原因の認知症の方にはルテインが効果的であることが研究で明らかになりました。
この記事ではルテインがどうしてアルツハイマーに効果があるのかについて詳しく解説します。
この記事の目次
アルツハイマー病の原因とは?
アルツハイマー病は脳が萎縮するせいで起こる病気であり、脳機能が低下する認知症が発症する原因の一つになっています。
症状としては物忘れが激しくなり、やがて時間や場所が分からなくなり、日常の食事や排泄などにも障害が出るようになります。
NHKの「ためしてガッテン」でアルツハイマーの予防について取り上げられた回では「アルツハイマー型認知症の元凶となるのは糖尿病と肥満である」と放送されていました。
アルツハイマー型認知症の原因は「アミロイド仮説」が有力視されています。
アミロイド仮説とは脳内でアミロイドβという老廃物が異常に発生し、タンパク質が相互に絡み合って長くつながることで糸状に伸びて神経毒性が発生することで脳細胞が死んで認知症を引き起こすという説です。
こうした脳細胞の劣化、老化が起こる最大の原因は「活性酸素」だと言われています。活性酸素により酸化した細胞は機能が低下したり死滅したりします。
これまではアルツハイマー病は防げないものだと思われていましたが、食生活に気をつけることで予防できるのではないか、ということで注目されています。
健康な人とアルツハイマー病患者の違いとは?
赤血球中の 過酸化リン脂質 | 赤血球中の カロテノイド |
|
アルツハイマー 病患者 | 濃度が高い | 濃度が低い |
健康な人 | 濃度が低い | 濃度が高い |
東北大学院の宮沢教授らの研究では、アルツハイマー病患者の赤血球には健康な人と比べて過酸化リン脂質が5~6倍も異常に蓄積されていることが明らかになっています。
この過酸化リン脂質とは分かりやすく言うと「酸化した脂」です。過酸化リン脂質が赤血球の中で蓄積されていくと赤血球から酸素が離れにくくなります。
すると脳細胞に酸素を供給する量が減り、脳が慢性的な酸素不足の状況に陥ることから認知症の進行を早める可能性があるとされています。
そしてアルツハイマー病患者は赤血球のカロテノイド濃度が低いことも分かっています。
カロテノイドとは自然界に存在する黄色や赤色などの天然色素で強い抗酸化力を持ち、活性酸素を除去する力が優れています。
中でも脳細胞に存在するカロテノイドの一種であるルテインには、脳細胞が劣化する原因となる活性酸素を除去する働きが強いことが分かっています。
そこで、ルテインを飲んで赤血球のカロテノイド濃度を上げれば過酸化リン脂質を抑制して、アルツハイマーの予防になるのではないか、ということで実験が行われました。
クロレラで赤血球のルテイン濃度が4.6倍に!
これは学術誌に掲載されたものですが、日本の高齢者(50~68歳)男女12名を対象にクロレラの有用性を確認するための実験が行われました。
(参照:サン・クロレラ研究サイト「クロレラの赤血球膜リン脂質に対する抗酸化作用に関する研究成果」より)
ちなみにクロレラが使われたのはカロテノイドでも強力な抗酸化力を持ち、アルツハイマーにも予防効果があるとされているルテインが入っているためです。
そして8週間、クロレラを飲んだ結果、なんと赤血球のルテイン濃度が約4.6倍に増加し、過酸化リン脂質も実験前の3分の1まで低下したことが確認されました。
このことから「ルテインは認知症の予防、進行速度を遅らせるのに効果がある」ということが明らかになりました。
日頃からルテインを摂取し、赤血球のルテイン濃度が一定に保たれていれば、脳が活性酸素により受けるダメージも低下して、結果として脳の老化を防ぎ、認知症の発症を防いでくれることになります。
ルテインには高齢者に多い白内障にも効果があるので、老化を肌で感じる高齢者にとっては大変心強い栄養素と言えるでしょう。では、ルテインはどうやって摂取するのが効率的でしょうか?
ルテインを効率的に摂取するには?
ルテインは緑黄色野菜に多く含まれていて、特にほうれん草、ブロッコリー、芽キャベツなどが含有量が多いです。
一番含有量が多いのはケールですが、ケールは直接食べると苦くて食べづらいので青汁などの原料に利用されるのが一般的です。ご家庭で食べるなら、調理しやすいほうれん草がおすすめです。
ルテインは脂溶性のため、油と一緒に食べるか油で料理するとより体内に吸収しやすくなります。
では、1日につきどれくらい食べればいいのでしょうか?
ルテインは健康を維持するためなら1日あたり6㎎あれば十分とされています。ほうれん草の場合だいたい2~3株食べれば十分摂取することができます。
ほうれん草は炒めてもいいし、茹でて和えてもいいし、味噌汁にも使えます。何にでも使えるので常に冷蔵庫に常備しておいてもいいくらいです。
でも、中には「そんなに毎日ほうれん草を食べれないよ!」という方もいるかもしれません。そんな方にはサプリメントでルテインを摂取するのがおすすめです。
ルテインのサプリメントの選び方
ルテインのサプリメントは現在、いろいろと市場に出回っています。逆に多すぎてどれを選べばいいのか迷うくらいです。
そこでルテインのサプリメントの選び方を紹介します。
ルテインの選び方といて大切なポイントは3つあります
(1)ゼアキサンチンが含まれていること
(2)アントシアニンが含まれていること
(3)マリーゴールド由来のフリー体ルテインであること
(1)ゼアキサンチンが含まれていること
ルテインは同じカロテノイドの同位体であるゼアキサンチンとセットで存在しています。
そしてルテインを飲むときはゼアキサンチンも一緒に飲むと相乗効果でより効果が高まることも分かっています。
(2)アントシアニンが含まれていること
ブルーベリーやビルベリーなどの青紫色の果実にはアントシアニンという成分が含まれています。
このアントシアニンはルテインの成分を体の隅々まで運ぶ「運び屋」の働きをします。ルテインを摂取するときはアントシアニンも一緒に摂取することでより体内に吸収されて効果を発揮するようになります。
(3)マリーゴールド由来のフリー体ルテインであること
一般的に高品質なルテインのサプリメントの原料になるのはマリーゴールドの花弁です。
逆にルテインの成分の由来が記載されていないサプリは何から作られているか分からないので不安があります。
また、ルテインにはエステル体のルテインとフリー体のルテインの2種類あり、人間の体内に存在しているときはフリー体の状態で、、ルテインを原料から精製した時はエステル体です。
エステル体のルテインは体内の酵素で一度分解されてフリー体のルテインになってから吸収されます。
つまりフリー体のルテインならそのまま吸収されますが、エステル体のルテインの場合、実際に吸収されるのはHPに記載されているルテインの含有量よりも少なくなります。
もしHP上に「フリー体のルテイン」という記述がない場合は、もしかしてエステル体のルテインを使っている可能性があります。
まとめると、選ぶべきサプリメントの条件としては
(1)配合成分に「ゼアキサンチン」が入っていること、
(2)アントシアニンを含むビルベリーエキスが入っていること、
(3)HPに「マリーゴールド由来」「フリー体」の記述があること
になります。
テレビCMでも放送されているファンケルの「えんきん」や、ドラッグストアで簡単に入手できるDHC、ネイチャーメイドなどのルテインのサプリメントには残念ながらアントシアニンが入っていないことが多く、おすすめできるサプリはありません。
インターネット通販で購入できるルテインのサプリメントでは、
(1)海外輸入の「ドクターズチョイスのルテイン40㎎」か、
(2)さくらの森から販売されている「めなり」
この2つのみが上記の条件にすべて該当します。
私はどちらも購入して飲んでみたのですが、海外輸入のドクターズチョイスのサプリは粒がデカくて飲み込みづらかったです。
ルテインの品質と量はドクターズチョイスの方が上ですが、「お値段」と「飲みやすさ」では「めなり」の方が上でした。
年を取ると喉の筋肉が衰えるので飲み込むのが苦手になり、食べ物・飲み物が気管に入り、むせたりすることも多くなります。
そういう意味では飲み込みやすい「めなり」の方が高齢者の方に優しいといえます。
まとめ
いかがでしたか?ルテインが認知症、とくにアルツハイマー型の予防・改善に効果的というのが分かったと思います。
ルテインの摂取は食生活からが理想的ですが、難しければサプリメントで手軽に摂取するのも1つの方法です。
当サイトが紹介するおすすめのルテインサプリメントが選択肢の一つになれば幸いです。